箔のこと
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箔のこと
箔のこと
しなやかな極薄の金属、箔。
金や銀、プラチナ、銅などの金属をごく薄く延ばしたもの。
それらを総称して「箔」といい、代表的なものが「金箔」です。
それらを総称して「箔」といい、代表的なものが「金箔」です。
金箔の光は豪華さや美しさだけでなく、荘厳さや安らぎをもたらしてくれる存在。
宗教の世界では永遠の光として尊ばれ、神社仏閣などの建造物、仏像、仏壇仏具に活かされてきました。
そのほか、屏風や襖絵、漆器、陶磁器、織物、今ではインテリア分野、
建築分野、食や美容分野などにおいても、金箔は幅広く活かされています。
宗教の世界では永遠の光として尊ばれ、神社仏閣などの建造物、仏像、仏壇仏具に活かされてきました。
そのほか、屏風や襖絵、漆器、陶磁器、織物、今ではインテリア分野、
建築分野、食や美容分野などにおいても、金箔は幅広く活かされています。
薄さ1万分の1ミリの箔には、金属そのものとは異なる、箔ならではの魅力、可能性があります。
しなやかさ、やわらかさ、美しさ…
箔は、それらで形容しきれない、奥深い魅力を秘めた唯一無二の存在です。
しなやかさ、やわらかさ、美しさ…
箔は、それらで形容しきれない、奥深い魅力を秘めた唯一無二の存在です。
金沢箔の歴史
日本の箔のほぼすべてを生産する、
箔の街・金沢
箔の街・金沢
金沢で金箔が初めてつくられたのがいつ頃かは定かではありませんが、その歴史は古く、文禄2年(1593年)に加賀藩初代藩主・前田利家が金・銀箔の製造を命じた書が残っています。
しかし、十七世紀末、幕府は江戸に「箔座」を設け、全国の金銀箔類の製造・販売を統制。これによって金箔の製造は、江戸・京都の箔座以外には許されなくなり、金沢でも箔類の製造・販売はできなくなりましたが、金沢の箔職人たちは、製箔業確立に向けての運動を粘り強く続けました。
やがて明治維新で江戸幕府の崩壊とともに箔の統制はなくなり、最大の供給源であった江戸箔がとだえる一方、金沢箔の生産・販売は自由になり、全国的に名をあげることになりました。
しかし、十七世紀末、幕府は江戸に「箔座」を設け、全国の金銀箔類の製造・販売を統制。これによって金箔の製造は、江戸・京都の箔座以外には許されなくなり、金沢でも箔類の製造・販売はできなくなりましたが、金沢の箔職人たちは、製箔業確立に向けての運動を粘り強く続けました。
やがて明治維新で江戸幕府の崩壊とともに箔の統制はなくなり、最大の供給源であった江戸箔がとだえる一方、金沢箔の生産・販売は自由になり、全国的に名をあげることになりました。
加賀藩前田家による文化振興策
前田家は代々、文化振興策によって幕府の警戒から藩を守り、さまざまな伝統工芸の技を手厚く保護してきました。今では「工芸王国」と称されるほど数多くの工芸がこの地に根付き、加賀百万石の文化を花開かせました。この地には、工芸材料である金箔が必要とされる土壌があったのです。
箔づくりに適した風土
金沢は、箔の製造に適した水質と気候に恵まれています。箔打ち紙の仕込みに、金沢の軟質の水質が適していたと言われています。また、金沢は湿気が多く、紙の湿り具合の調節が要となる紙仕込みの作業に適しています。
磨かれた製箔技術
幕府の統制下にあり、質・量ともに限られた材料で密造する時期が続き、経験と工夫を積み重ねてきた結果、優秀な製箔技術が培われました。
これらの要素と歴史的要因により、今では、金沢は日本の箔のほぼすべてを生産する「箔の街」となりました。
これらの要素と歴史的要因により、今では、金沢は日本の箔のほぼすべてを生産する「箔の街」となりました。
箔の製法
箔の製法は、2通りあります。
400年もの歴史をもつ「縁付金箔」の製法と、昭和45年頃から導入された「断切金箔」の製法です。
箔は、箔打ち紙と呼ばれる紙の束の間に金合金を挟み込み打ち延ばしてつくりますが、
2つの製法の最も大きく異なる点は、箔打ち紙にあります。
400年もの歴史をもつ「縁付金箔」の製法と、昭和45年頃から導入された「断切金箔」の製法です。
箔は、箔打ち紙と呼ばれる紙の束の間に金合金を挟み込み打ち延ばしてつくりますが、
2つの製法の最も大きく異なる点は、箔打ち紙にあります。
縁付金箔(えんつけきんぱく)
400年以上続く日本特有の製法は、国宝の修復に欠かせない技の文化財
手漉きの和紙を箔打ち紙に用いる箔の製法で、手打ちから機械打ちになったほかは、400年以上続く金沢箔の歴史において変わらない伝統の技です。
箔打ち紙は、手漉きの雁皮紙を水や藁の灰汁・柿渋・卵などを用い、約半年もの時間と手間暇をかけて仕込み、ようやく金箔を打ち延ばせる紙に育て上げます。
この職人技は、2014年10月23日、文化庁より国の選定保存技術として認定されました。
そして2020年12月、同じく国の選定保存技術である17分野の職人が継承する「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のひとつとして、「縁付金箔」はユネスコ無形文化遺産に登録されました。
ユネスコ無形文化遺産について
箔打ち紙は、手漉きの雁皮紙を水や藁の灰汁・柿渋・卵などを用い、約半年もの時間と手間暇をかけて仕込み、ようやく金箔を打ち延ばせる紙に育て上げます。
この職人技は、2014年10月23日、文化庁より国の選定保存技術として認定されました。
そして2020年12月、同じく国の選定保存技術である17分野の職人が継承する「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のひとつとして、「縁付金箔」はユネスコ無形文化遺産に登録されました。
断切金箔(たちきりきんぱく)
生産性を上げるために開発された現代では主流の製法
昭和45年頃(1970年頃)に生産性を上げるために開発された新しい技です。「立切」「現代箔」とも言われ、効率的に量産できるため、近年では主流になっています。
グラシン紙に特殊なカーボンを塗布したものを箔打ち紙に用いてつくられる金箔で、紙仕込みや箔打ちに手間をかける「縁付金箔」に比べて、短時間で箔打ちができます。
また、一枚一枚、革板にのせて竹枠をあてて四角に切り揃える「縁付金箔」に対し、「断切金箔」は打ち上げられた箔約500~1,000枚を箔合紙と交互に重ね、縁をまとめて断ち落として仕上げます。
グラシン紙に特殊なカーボンを塗布したものを箔打ち紙に用いてつくられる金箔で、紙仕込みや箔打ちに手間をかける「縁付金箔」に比べて、短時間で箔打ちができます。
また、一枚一枚、革板にのせて竹枠をあてて四角に切り揃える「縁付金箔」に対し、「断切金箔」は打ち上げられた箔約500~1,000枚を箔合紙と交互に重ね、縁をまとめて断ち落として仕上げます。
縁付金箔
断切金箔
箔打ち紙
手漉きの雁皮紙を水や藁の灰汁・柿渋・卵などを用い、約半年もの時間と手間暇をかけて仕込む
グラシン紙に特殊なカーボンを塗布したもの
裁断
一枚ずつ皮板の上にのせ、竹枠をあてて切り揃える。
箔合紙と交互に重ね、縁をまとめて断ち落とす。
仕上がり
一般的に箔に対して箔合紙が大きく、縁がある。この状態が「縁付」の名称の由来でもある。
箔合紙と箔を一緒に断っているため、一般的に箔合紙と箔のサイズが同じ。
※「断切金箔」もしくはそれに準じる製法は他国にもありますが、手漉きの雁皮紙を打ち紙に用いる製法(「縁付」の製法)は、日本固有のものです。
※「縁付金箔」と「断切金箔」は製法の違いであり、合金配合率は同じです。