金沢伝統箔「縁付」と現代箔「立切」

箔の製法には、二通りあります。
400年もの歴史をもつ金沢伝統箔「縁付」の製法と、昭和45年頃から導入された現代箔「立切」の製法。
箔は、箔打ち紙と呼ばれる紙の束の間に金合金(金箔の場合)を挟み込んで打ち延ばしてつくります。二つの製法の最も大きく異なる点は、箔打ち紙です。

 

縁付の製法


日本特有の技。国宝の修復に欠かせない技の文化財。

手漉きの和紙を箔打ち紙に用いる箔の製法で、手打ちから機械打ちになったほかは、4 0 0 年以上続く金沢箔の歴史において変わらない伝統の技です。


箔打ち紙は、手漉きの雁皮紙を水や藁の灰汁・柿渋・卵などを用い、約半年もの時間と手間暇をかけて仕込み、ようやく金箔を打ち延ばせる紙に育て上げます。


この職人技は、2014年10月23日、文化庁より国の選定保存技術として認定されました。
箔打ち紙
縁付   縁付
一枚ずつ皮板の上にのせ、竹枠をあえて切り揃える。   仕上がった状態は、一般的に箔に対して箔合紙が大きく、縁がある(縁付き)。
※「縁付」の名称の由来でもある
立切の製法

「断切」「現代箔」とも言う。
効率的に量産できるため、近年では主流。

グラシン紙に特殊なカーボンを塗布したものを箔打ち紙に用いてつくられる金箔で、紙仕込みや箔打ちに手間をかける「縁付」に比べて、短時間で箔打ちができます。


また、一枚一枚、革板にのせて竹枠をあてて四角に切り揃える「縁付」に対し、「立切」は打ち上げられた箔約500~1,000枚を箔合紙と交互に重ね、縁をまとめて断ち落として仕上げます。


昭和4 5 年頃( 1 9 7 0 年頃)に生産性を上げるために開発された新しい技です。

立切の箔打ち紙
立切   立切
箔合紙と交互に重ね、縁をまとめて断ち落とす。   仕上がった状態は、一般的に箔合紙と箔のサイズが同じ。
(箔合紙と箔を一緒に断っているため)

 

●「立切」もしくはそれに準じる製法は他国にもありますが、手漉きの雁皮紙を打ち紙に用いる製法(「縁付」の製法)は、日本固有のものです。


●金沢伝統箔「縁付」と現代箔「立切」は製法の違いであり、合金配合率は同じです。

 

 


 

箔座ブランドにおける「縁付」と「立切」

箔座では、製法が異なるそれぞれの箔の特性をふまえ、用途によって使い分けています。


食用金箔や美容用金箔など食したり肌に付けたりする分野では、自然素材である和紙を打ち紙とする「縁付」製法を起用し、各目的に特化した箔を用意。


器やアクセサリーなどの分野では、「立切」製法の箔を使用しています。


また、国宝や重要文化財の修復においては、日本古来の技「縁付」を使用することを提唱し続けています。