縁付の製造工程

 

縁付の製造工程

金沢伝統箔「縁付」の製造工程は大きく3 段階に分かれ、各工程を手掛ける職人の熟練の技が結集してようやく薄くしなやかな金箔がつくられます。

 

 

工程
澄工程
澄打ち
箔工程
箔移し

箔打ち紙の仕込み

「縁付」の製造工程において、箔職人の手掛ける仕事の中で最も重要なものは、箔打ち紙の仕込みです。打ち紙の良し悪しが箔の仕上がりを左右するため、打ち紙の仕込みができるようになって初めて一人前と言われます。
手漉きの雁皮紙(がんぴし)を水や藁の灰汁・柿渋・卵白(注1)などに浸した後に絞りこみ、機械打ちします。これをくりかえし、約半年間をかけて紙を仕込みます。金を打って弱くなった紙はまた仕込みを重ねて何度も使用します(注2)。
小間紙、まま紙それぞれ専用に仕込んで使い切る職人もいれば、仕込みが若い段階のものを小間打ちに、そしてその紙がよく仕込まれて育つと箔打ちに使う職人もいます。
まま紙というのは、この紙ができて箔打ちができると、まんまが食べられるようになる(稼いでごはんが食べられる)ということからそのように言われるようになりました。また、主紙とも言います。


注1:卵白は、使わない職人もいる。
注2:何度も仕込みを重ねて使い、やがて箔を打つ力が衰えると「ふるや紙」になる。




金沢伝統箔「縁付」の技術継承と現状


縁付金箔は、建築、美術、工芸をはじめとする様々な分野の装飾素材となっています。特に、国宝や重要文化財の補修、修理にも縁付金箔が用いられています。
しかし、縁付金箔の技術継承は、長い経験を必要とする複雑な手作業ゆえの後継者不足に加え、原材料や諸道具の確保なども難しくなってきています。
また、金箔の良し悪しを左右する手漉き紙についても、供給減や漉き手の後継者不足など、早急に対策を講じなければならない課題が多くあります。
日本の伝統文化や文化財の保存・継承を図るためにも、この縁付金箔の伝統技法を守り、継承しなければなりません。


引用 / 「金沢伝統箔の技法 縁付金箔が出来るまで」
(金沢金箔伝統技術保存会 平成24年11月発行)より